長期インターンを卒業する僕が、7ヶ月の勤務を経てインターン応募者に伝えたいこと。 | Dekiroute[デキルート]
インターン

長期インターンを卒業する僕が、7ヶ月の勤務を経てインターン応募者に伝えたいこと。

長期インターンを卒業する僕が、7ヶ月の勤務を経てインターン応募者に伝えたいこと。
  
「石の上にも3年。だけど僕のインターンは0.5年」

こんにちは。ライターのMizoです。
突然ですが長期インターンを辞めることにしました。

もちろん思う所はいろいろありますが、長期インターンで学んだ通りに結論から端的に言うと、このタイトルになりました。

まず断っておくと、僕は長期インターンとして勤務させていただいた、株式会社インデンに感謝しています。

思い返すだけでも、半年間でこれらの業務に関わらせて頂きました。
 

  • ・訪日外国人集客支援のためのウェブメディアの立ち上げ
  • ・オウンドメディア、Dekiroute[デキルート]の立ち上げ
  • ・学生向けの無料会議室、Dekiroom[デキルーム]の立ち上げ
  • ・自社サービスの利用データを編集したメルマガの作成
  • ・インターンシップ特設サイトのデザイン改善

 
志の高いメンバーに囲まれ、上司にしごかれながら仕事に取り組む日々は、大学のコミュニティにこもりがちな僕にとっては新鮮で刺激的でした。

だけどそんな魅力的なインターンを辞めてしまうには、やっぱり理由があります。

そこでブログメディアを作ったからには、このインターンを振り返った記録を最後に記事にしようと思いました。

ウェブサイトから見るだけではよくわからない、「長期インターン」に興味をもってくれる学生が少しでも増えると信じて、徒然なるままに書いてみます。
 
 
 

3ヶ月目までのこと


3ヶ月目までのこと
 

僕が長期インターンを始めた理由

 
「とりあえずマーケティングしたい」

そんな漠然とした思いで、京都の長期インターンを検索し、業務内容にマーケティングと記載されたインデンという会社を見つけて門を叩きました。

僕は就活中に何となくマーケティングがしたいと言っていたのですが、それは不確かな憧れで、そのうち自分の言葉に自信が持てなくなりました。だから大学のサークルや学生団体を飛び出して、実際に社会でマーケティングを勉強してみようと思ったのです。
 
 

入社と同時に新規プロジェクトの責任者になる

 
幸運にも採用して頂いた僕を待っていたのは、訪日外国人の集客支援を目的とした、会社のウェブサイトの立ち上げという仕事でした。しかも入社したその日に、「責任者やってもらうんでヨロシク!」と告げられたのです。

最初は「Webマーケティングって何?」という状態で、上司と2人で勉強しながら手探りで始めました。

ペルソナ・SEO・オウンドメディア・コンテンツマーケティング・etc…

まったく聞いたことのないワードをググってを調べながら、どうすれば自社のメディアが成功するのか?
そもそも成功とは何なのか?そんなことを考えながら、2ヶ月をかけてウェブサイトを立ち上げました。

その後このサイトは目標を達成できず、結局ストップがかかり、リニューアルすることになってしまいました。情けなくて悔しかったのですが、来年からIT業界で働く上でこの期間は大きな勉強になりました。
 
 

圧倒的にコミットした3ヶ月間

 
この頃は僕も、曲がりなりに全力でインターンに取り組んでいました。

仕事を素早くしっかりこなすと頼られる。頼られると面白い仕事が振ってくる。
そんな循環が嬉しくて、楽しくて。目の前の課題に時間も場所も忘れて取り組みました。時には無茶ぶりだってこなしました。

朝起きたら午前10時までに販促用のPOPを修正して欲しいというメールを見つけ、顔を洗って歯を磨く前にパソコンを立ち上げたこともありました。

旅行でシンガポールに向かう道中、30分の飛行機乗り換えの間に、社長に企画をメールで提案しようとWi-Fiを探して空港を駆けまわったこともありました。

そうやって目先の仕事に取り組んでいると、月日は矢のように過ぎていきました。
 
 
 

6ヶ月目までのこと


6ヶ月目までのこと
 

1つのことに情熱を持ち続けることは難しい

 
だけどインターンを初めて5ヶ月が過ぎた頃には、インターンへの熱が下がり、残りの大学生活の使い方に迷い始めていました。

「遊びたい」「旅行行きたい」「就活しなきゃ」「読みたい本あったな」とか。

そんな自分を取り巻く無数の欲求から、一番にインターンを選び取れる自分ではなくなっていました。その状況に陥った理由は、6ヶ月という期間が長期インターンにおけるターニングポイントだからです。
 
 

長期インターンは6ヶ月が大きな壁である

 
長期インターンを続ける過程で、幾つかの心境の変化がありました。

1ヶ月は慌ただしく目の前のことに取り組み、3ヶ月経つと少し余裕が出てきます。そして6ヶ月が経つ頃には重めの仕事を任せてもらえますが(僕もこの頃に、Dekiroute[デキルート]の立ち上げを任せて頂きました)、結果を出すためにより、多くの時間と労力を割かなくてはならなくなります。

なぜなら社員の方の半分以下の出勤日数と時間で、社員の方と同じレベルの成果を求められるからです。
もちろんできると思うから、仕事を振って頂いたのですが。

でもそうなると自分の生産性を2倍以上にすることは不可能です。こうなると出勤時間外でめちゃくちゃ手と頭を動かすしかなくなります。

一方、長期インターンを始めた頃の新鮮さはどんどん失われていきます。毎週同じ時間、同じオフィスに通っていると、新しい世界に飛び込んだワクワクは段々薄れていきました。

そして抱える仕事の負担と、インターンへのワクワクのバランスが崩れて、なぜ長期インターンをしているのか自分に改めて問いかけさせられるのが6ヶ月という時期ではないでしょうか。
 
 

仕事の悪循環が始まる

 
「何で休みの日、面接前日の深夜1時にメール返して、エクセルをつついてるんだろう」
「メールの文面ひとつで、どうしてこんなに責められる必要があるんだろう」

この頃はそんな不満を自分に投げかけては、目の前の作業をこなす日々でした。
競合調査やWebマーケティングの勉強もサボりがちになりました。

これでは自分で、「やりたい」って言って取ってきたDekiroute[デキルート]のプロジェクトなのに、一緒に頑張ってくれたチームのメンバーに失礼でした。

やっぱりそんな投げやりな気持ちで仕事をすると、アウトプットの質も下がり、すぐに周囲にバレるようです。途中で上司やメンバーに仕事の質の低下を何度も指摘されながら、目の前の納期に追われて必死でした。

叱られない仕事をすることに務め、正直インターンがそんなに楽しくなかったです。もう負のスパイラルでした。

「ご指摘ありがとうございます。明日までに提出致します」
何度上司にそう言ったか、数えきれません。

もう自分で決めた納期までにDekiroute[デキルート]をリリースすることしか考えられませんでした。

ですが幸いチームと共に、納期通りにウェブサイトをなんとか完成させることができました。こうして少しずつPVやユーザー数、イイね数も増え始めて、なんとかウェブメディアとしてスタートに立てたのではないでしょうか。
 
 

インターンを続けるべきか、辞めるべきか

 
さてDekiroute[デキルート]立ち上げが一段落した頃、案の定上司との面談で改めて仕事の質の低下を指摘されました。

他人の巻き込み方への配慮が足りない、失敗を恐れて行動が遅い、などなど。

そして最終的に上司が僕に提案してくれた選択肢は2つ。
 

  • ・インターンに今以上の時間と労力を傾けて、社会人になる前に最大限準備をしておくこと
  • ・インターンを辞めて退路を断ち、働くまでに残された時間を全力で遊び尽くすこと

 
僕が2つを両立することができないと見抜き、あえて向こうから提案してくれたのでしょう。
結論、僕はインターンを辞める(卒業する)ことを決めました。

理由は単純でした。改めて自分に問いかけた時、

社会に出るまでに、「少しでも成長しなきゃという恐怖」よりも、「やりたいことを全部やれない恐怖」が勝ったからです。
 
カッコつけてますが、要するに、「やっぱもっと遊んどこう!」ってだけです。

もちろんインデンの長期インターンが悪いわけではありません。そもそも僕は業務に時間と頭をフルに使うことを前提に採用して頂いていました。当然、学生扱いしないという条件のもとです。

本来採用とは企業と学生が互いにとってプラスの存在であり続ける契約であり、それをまっとうにこなすことができなくなった瞬間、自ら辞めるべきだったのです。「こんなにキツくなるとは思わなかった」なんて愚痴を吐くのはお門違いもいい所でした。

この面談で僕は1つのことを、上司に教えてもらいました。

「インターンを続けること」と、「インターンで成長し続けること」は違うということ。

だから僕は、上司や他のインターン生に嘘をついてまでカッコつけて、成長してるフリを続けるよりは、自分に素直であろうと決めました。
 
 
 

インデンの長期インターンの意義とは?


インデンの長期インターン
 
こんな感じで、残り半年は遊び尽くすと上司に啖呵を切って、卒業することになりました。
でも思い返すとこの7ヶ月、確かにしんどかった日々もあったけれど、一方でいろいろと気付くこともありました。

だから最後にインデンの長期インターンが、学生にとってどんな意義があるのか
自分なりの答えを出して終わりたいと思います。
今後インターンに応募してくれるかもしれない、誰かの役に立つことを願いながら。
 
 

ビジネススキルの獲得

 
まず前提として長期インターンの魅力は、学生でも社会人と同様の仕事内容や環境、目標を与えられる点にあります。

メールのマナーから、報告・連絡・相談・提案の徹底、競合や成功モデル調査の習慣。

こうした、ビジネスにおける基本的な仕事の仕方を社会人になる前に身につけておくと、大企業でもベンチャーであっても、入社してからある程度自由に仕事をしても怒られず、成果にも繋がると思います。

特に上司に対する報告と提案をその都度きっちりしていれば、他人からの煩わしい催促連絡が一気に減り、ストレスが減少すると業務の中で実感できたことは大きなプラスでした。

しかし残念なことに、6ヶ月程度の勤務で、本当の意味で「働く」ということを理解し、社員と肩を並べるレベルに価値を生み出すことのできる学生は少ないと思います。(もちろん僕もまだまだです)
 
 

インターンという「自分探し」

 
なら僕の400時間はムダだったのでしょうか?

そうではなくて、むしろ長期インターンの本質は、「未知の自分との出会い」にあると思っています。「自分探し」なんて言うとバカにされそうですが、要は働く中で自分が何が嫌いで何が好きかを知ることです。

長期インターンは、予測不可能な未来の時間とエネルギーを、未来の自分を信じてビジネスの中に預ける行為です。そこにどんなリターンがあるのかもわからないので、覚悟が必要です。

だけどその投資の中で、予期せぬ自分と出会い、自分の好きなことや嫌いなことを再発見することができます。

例えば、

分かっていても周囲への気配りが足りないこと

プライドが高くて、失敗してダサいところを見せるのが嫌いなこと

困った人に頼まれると断れないこと

やっぱり文章や言葉が好きなこと

7ヶ月間、約400時間を投資して、マーケティングのプロにはなれなかったけれど、自分について気付いたことは沢山ありました。

インターンをしなければ決して気付くことのなかった、こんな発見のひとつひとつを人生の選択や仕事、いろんな場面で役立てていけるといいな、なんて思っています。
 
 

長期インターンに向いてそうな人

 
ではどんな人が、この長期インターンに向いているのでしょう。

まずは目先のリターンにこだわらず未知の環境との出会いを楽しめる人
時間やエネルギーの投資を惜しまない人は向いています。これは前提条件に近いのですが、3ヶ月で辞めるくらいなら、会社にも自分にもメリットが薄く、他のことをした方が良いと思います。
 
そして時間とエネルギーの投資先としてビジネスを選べる人
働く中で理想のビジネスマンと自分の距離を測り、埋めようと努力することが、結果としてインデンにリターンをもたらすことになります。学生にビジネス環境を提供してくれるインデンへの感謝の気持ちと、ギブ・アンド・テイクの「ギブ」をしっかり会社に返す意欲は大事です。

最後に貪欲な人
せっかくインターンを始めたからには何かをもって帰りたいという意欲がある人。これはギブ・アンド・テイクの「テイク」の部分です。ビジネススキルでも、自分探しでもかまいません。とにかく自分へのリターンを持って帰り、6ヶ月前より自分がどんな人間か語れるようになりたいという人は向いています。
 
 

結論

 
長くなりましたが、そんなビジネスを通した「自分探し」こそが、このインデンのインターンシップの本質だと思います。
 
「インターンを辞めることが負けじゃない。本当の負けはインターンで何も得られないことだ」

捨て台詞みたいだけど、これが7ヶ月で感じたすべてです。
 
さて、この長い記事をここまで読んでくれたあなたなら、少しはインターンに興味が湧いたのではないでしょうか。

すぐに仕事がデキなくったっていい。
いつかは辞めたっていい。
 
だけどビジネスという未知の世界に飛び込んで、何かを掴んで帰りたい。掴むまでは帰れない。
そんな人、待ってます。
 
   
   

おわりに


 
ということで、夏の訪れと同時に僕は長期インターンを辞めます。

でも会社ってしっかりしてるんですね。僕がいなくなっても優秀なインターン生のおかげで、Dekiroute[デキルート]はしっかり回ってくれそうで取り敢えず安心です。

だけどそんなことを考えていると、僕がこの会社からもらった経験と給料に対して、何を返せるのかわからなくなってきました。
やっぱり何度考えても、今すぐ返せるものは浮かんでこないので、こうなったら将来、恩を返すことにします。

いつかDekiroute[デキルート]のコンセプトのように、シゴトがデキて楽しくなる。

「インデンでの半年があったから、今の自分がいるんです」

そう言える人になることが、去っていくインターン生としての精一杯の恩返しなのかな。
 
長くなりましたが、インデンを辞めていく、インターン生の戯言でした。

以上です。
サンキュー、インターン。
グッバイ、インターン。

それでは皆さんも、良い夏休みを。

この記事を書いた人

投稿記事はこちら

katsuhito mizobuchi

インターン生/2015年12月入社/京都大学総合人間学部

関連関連記事

新着新着記事