人生を楽しむための大きな決断! IT企業のサラリーマンから公立高校数学教師へ / 岡本知幸先生 | Dekiroute[デキルート]
インタビュー

人生を楽しむための大きな決断! IT企業のサラリーマンから公立高校数学教師へ / 岡本知幸先生

人生を楽しむための大きな決断! IT企業のサラリーマンから公立高校数学教師へ / 岡本知幸先生

みなさんは将来について考えていますか?私は1回生なのでまだまだ分からないことだらけですが、将来の夢はいつも持っています。そして、友達と将来の話をしたりします。

でも、周りは「私は給料の安定した公務員でいいわ」 「残業時間の多いブラック企業以外に就職したい」という超現実的な人が多く、また、先輩からの「100社近く受けているのに全く決まらない」という声もたくさん聞きます。そして、みなさん口を揃えて言います。“とりあえず名の知れた会社に就職できればいい”と。

果たして将来のゴールは<就職できること>なのでしょうか。仕事ってこの先何十年も付き合っていくものなのに、就職した後はどうでもいいのでしょうか。

そこで、将来について疑問ばかり出てくる私は、IT企業のサラリーマンから公立高校の数学教師に転職され、現在の仕事を目一杯楽しんでいらっしゃる岡本知幸さんにお話を聞きに行きました。

岡本 知幸岡本 知幸さん / Tomoyuki Okamoto
 
大阪府出身。
 
大阪大学卒業後、大手IT企業のミノルタ株式会社に入社プロジェクトリーダーになった30歳で、教員に転職を決意。
 
現在は京都市立紫野高等学校の数学教師で、1、3年生を担当。

 
 
 

どうせ一度きりの人生なら、やりたい仕事を選んでみよう

どうせ一度きりの人生なら、やりたい仕事を選んでみよう/岡本 知幸 

―本日は宜しくお願いします。現在、先生は私の母校紫野高校の数学教師でいらっしゃいますが、以前はコニカミノルタビジネステクノロジー株式会社に勤められていたとお伺いしております。具体的にどんな業務をされていたのですか?

主にソフトウェアの開発をしていました。
コスト削減を目的に日本人社員は海外での開発を管理する仕事に移る時期でしたので、たくさんの関係者とプロジェクトを管理し、1つのソフトを作るといった仕事をしていましたね。とてもやりがいのある仕事でした。
 

―仕事自体はやりがいがあるのに転職されるきっかけというのはやっぱり会社ですか…?

いいえ、全くそんなことはないです(笑)
会社自体とっても良い会社でした。給料も良く、私が大好きなコンピュータ・プログラミングの最新技術が扱えましたし、規模も大きいので福利厚生もしっかりしていて働きやすく、辞めた今でも勤めていてよかったと思っています。
 

―そんな良い会社なのにどうして転職しようと思われたのでしょうか?

プロジェクト管理の仕事はやりがいがある一方で、調整や進歩管理、リスクや課題、日程遅延との格闘の日々でもあります。私が任されていたプロジェクトはなかなか思うように進まないことが多く、リーダーとしての自分に自信を失うことが多かったです。

仕事で自信を失うというのは、なかなか辛いものなんですよね(笑)
また、やりたかったプログラミングから離れて、管理の仕事にシフトしておりましたので、このままでは辛い毎日を送るだけの人生になるかもしれないという焦燥感もありました。そこで、30歳の頃転職を考えました。
 

―IT関係と教師、全く違う分野だと思うのですが、なぜたくさんある仕事の中で教師を選ばれたのですか?

どうせ一度きりの人生なら、やりたい仕事を選んでみようと教員試験に挑戦することにしたんです。
もともと教えることは好きで、教えたことが分かってもらえた時に得られる充実感に魅力を感じていました。コニカミノルタでも新人研修の教育側として立ったときは楽しかったですね。
大学では念のため教員免許は取得していました。
でも、仕事をしながらの教員試験だったのでたくさんのエネルギーを使いました。やっぱり、試験に落ち続けた時は仕事もうまくいかなかったですね(笑)
 

―思い切った挑戦ですね。反対はされなかったのですか?

家族や親戚、友人にも相談しましたが、当然反対もありましたね。給与など待遇が下がることも当然予想していましたし、教員は教員でいろいろな苦労があることも分かっているつもりでした。
でも、前の仕事を続けながら教員試験を頑張ってこれたのは妻の支え、家族の理解が大きかったです。普通は結婚して子供もいると大胆な転職はしにくいと思いますが、私のやりたいことを応援してもらえるのは有り難かったです。

 
 
 

「昔は給料が高い仕事が良い仕事だと思っていました」

昔は給料が高い仕事が良い仕事だと思っていました/岡本知幸

―ずばり先生が考える良い仕事ってなんでしょうか?

若い頃の私の場合は、給料が高い仕事が良い仕事だと思っていましたね。できるだけ大きな会社に勤めて、できるだけ昇進することが仕事の成功だと考えていましたし、実際そう考えている人も多いのではないかと思います。

実は、今でも仕事に対しては色々な考え方があっていいと思っています。労働力や労働時間を提供して対価を得るためだと割り切っても、やりたいことを突き詰めて結果として収入がついてくるスタンスも素晴らしいです。

でも、転職を経た今の私は、仕事として自分のやりたいことが少しでもできていて、それが他の人や社会のためになっている仕事、一言で言うと「やりがい」を感じる仕事が良い仕事だと思います。やりがいがあって、収入も良かったら言うことなしですね。
 

―先生は今の仕事に満足していますか?

いやー満足していますね、楽しいですよ。全然飽きないです。
数学って難しくて、授業の予習として家で勉強しないといけないんですけど、辛くないですね。しかも今の教員の仕事は、クラブ活動などが週末もあるので、出勤時間だけでいうと長時間化する傾向があるんです。仕事と休みのバランスも大事なので、長時間勤務も気を付けないといけませんが、生徒の成長を感じながらやりがいを持って過ごせる教員を選んでよかったと思っています。
 

―楽しく仕事していている人ってとても素敵だと思います!

そうですねえ、仕事を楽しんでいる人と楽しんでいない人ってやっぱり分かりますよね(笑)
仕事って何十年も自分についてくるものじゃないですか。
仕事をしていくうちに絶対嫌なことは起きるんです。でも、それに何十年も耐えられるか耐えられないかは、どれだけその仕事が好きかに関わってくると思います。
自分の興味ない仕事を果たして何十年も続けられるのかと聞かれるとたぶん難しいと思いますね。

 
 
 

やりたいことを見つけた先の仕事選び

―なるほど。でもやりたいことを見つけるのってなんだか漠然としていて難しいですよね。どうすればいいのでしょうか。

私の経験では次の3つが大切だと思います。

1.子供のころから好きだったこと、やりたかった夢、憧れの人を振り返る。

やりたいことを思いつくには、子供のころから好きだったことを振り返るのも1つだと思います。
私が小さい頃から好きだったのは算数とファミコンでした。それが数学の先生になりたい、コンピュータ関係の仕事に就きたいという動機でした。どうも、子供の時の想いは強く心の中にあるようです。
また、憧れの大人や先輩がいれば、目標ができてとても良いです。
 

2.若いうちからたくさんのことを経験すること。

学生時代、短期のアルバイトをしていました。引っ越しや印刷系の仕事などたくさんの種類の仕事を見てきました。そこで分かったのは力仕事は向いていないということでした(笑)
これも私にとって大きな発見でしたね。
 

3.自分で考えて自分で選ぶ

これは、できている人には当たり前なことかもしれませんが、将来について考えたことがない人にとって、実はとても難しいことなのかもしれません。

私自身、仕事について偉そうに言っていますが、大学生の頃は4回生までのんびり何も考えず過ごしていたため、いざ就活になると不安で悩みました。
結局、当時学校推薦があったので、推薦枠のミノルタに入りました。
結果的に良い会社に入ったのは良かったですが、果たして自分の将来についてよく考え、自信を持って選べたかというと怪しいものです。

やりたいことを見つけた先の仕事選び/岡本知幸

―では、たくさんの生徒を見てきた中で、今の大学生に伝えたい仕事を見つけるときのアドバイスをお願いします。

仕事を選ぶというのは、その人の人生にとって一大イベントでもありますので人それぞれで難しいと思いますが、私の心がけたことを挙げてみたいと思います。

1.得意なことよりも、好きなことを優先する

どちらの仕事を選ぶか迷った時は、できそうな仕事よりもやりたい仕事を選んだほうが良いと思っています。
これは、「キミが働く理由」(福島 正伸 著)という本に載っていて、
「仕事については、能力より適性が優先し、適性よりも好き嫌いが優先すると思います」
という一文がありました。これを読んだときはとても共感しました。

2.その仕事の内容、働くときに必要なスキルをよく調べる

仕事の内容や、働くために必要なスキルは、選ぶ前からできるだけ調べておく、イメージしておくといいと思います。経験者に話を聞くのが一番だと思いますが、今はインターネットなどを通じてある程度の情報を得ることもできると思います。

3.色々な人に相談し、多角的に決める

仕事選びは本当に様々な選択肢があり、自分一人だけで考えるのも限界があるんです。
実は近い存在である家族や友人ほど、鋭くて適切な助言をくれたりするものなんですよ。
自分だけの狭い視野でこれだけ!と決めるより、色々と相談して「こんな仕事もある」という視点を持つと良いと思います。選択肢は多いほうがいいです。
 

―これから就活を控えている学生にメッセージをお願いします。

私たちの世代と比べるとかなり就職が難しくなってきていると思います。
就活はとてもエネルギーの要ることですし、辛いこともたくさんあると思います。
ですが、それを乗り越えて選んだ仕事は、苦労した分だけその後の自信につながるはずです。
周りの雰囲気や人の勧めもあると思いますが、最終的な仕事は自分で自信を持って決めてください。
そして、やりたいと思っていることは常に持ち続けてほしいですね。まだ見つかっていない人は大学でいろいろなことを経験してたくさん学んでこの機会に見つけてほしいなと思います。

 
 
 

自分の好きなことを仕事にしている人は毎日楽しそうだった

 いかがでしたか?
「生徒が楽しんでくれる授業ができたときは『よっしゃ』ってなります」とおっしゃられた時の笑顔は本物で、仕事を楽しんでおられる姿はシンプルに素敵でした。

このインタビューを通じて、人生一度きりなんだから、「自分にはできないかもしれない」と諦めるのではなく挑戦することが仕事、人生を楽しむ方法に繋がるのかなと思いました。
やっぱりいつまでも夢を持つって大切です。

バイトや遊びで精一杯のあなた!やりたいことはぼやーっとあるけど…というあなた!
この大学4年間でいろいろな方向にアンテナを張ってたくさんの人に出会って話して、自分の好きなことを見つけませんか?

きっと楽しい未来が待っているはず…

私も今の夢をあきらめずに、挑戦し続けます!そしてぜひみなさんも自分の未来は自分で決めましょう!!

この記事を書いた人

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ayane omura

インターン生/2016年3月入社/関西外国語大学

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