【就活と恋愛】経験者は語る!リクラブの真価とその引き際 | Dekiroute[デキルート]
インタビュー

【就活と恋愛】経験者は語る!リクラブの真価とその引き際

経験者は語る!リクラブの真価とその引き際

就職活動。それは企業とのお見合い。
意中の相手(就職先)を求めて、日々自己分析や面接、課題に取り組む。

そのような活動の中、あなたは企業ではなく、人と恋に落ちたことがあるだろうか。
 
就活中の恋愛、いわゆるリクラブ(リクルートラブ)である。

今回は、今から2年前に就職活動された社会人1年目の女性に取材。「リクラブ」についての本音や当時の様子を振り返ってもらった。

 
 

タカコ、22歳。リクラブの第一印象は「チャラい」

 
タカコ、22歳。リクラブの第一印象は「チャラい」。
 
今回話を聞かせてくれたのはタカコ、22歳。大手コンサルティング会社で経営コンサルタントとして働いている。おっとりとした女性らしい雰囲気の彼女だが、コンサルタントらしくはつらつとした口調で語ってくれた。
 
 
「最初は正直『チャラいな』って。」
 
 
大学の1年生の頃から企業などに関する情報収集は地道に行っていたというタカコ。その戦略家っぷりには脱帽だ。
 
 
「『リクラブ』というワードは知っていました。1年生の頃から将来の仕事に関する情報収集はしていて、その一環で。でも、仕事を探す途中に恋愛なんて!なんだか不真面目、うつつを抜かしている、チャラチャラしている……。当時の私はピュアだったのか、なんだか不純だなと思っていた時期はありました。」
 
 
しかし、就活という関門を潜り抜けて、彼女の『リクラブ』に対する意識はガラリと変わったのである。
 
 
 

就活をする中で陥る「独特な精神状態」

 
就活をする中で「独特な精神状態」
 
彼との出会いはコンサルティング会社の会社説明会。コンサル志望で当時20歳、某有名大学に通っており、彼女ナシ5ヶ月。身長は低く、顔もタイプではなかったが、さわやかな笑顔でノリがよく、その場で盛り上がったらしい。
 
 
説明会で隣の席になったタカコは、筆記用具を借りたことをきっかけに彼と連絡先を交換。説明会の帰り、大雨が降っていたので近くのカフェで雨宿りすることにした。
 
 
「普段他校の男の子と話す機会があまりなく、関わる人はもともと見知っていた人ばかりになっていた日々の中で彼は新鮮に映りました。そのうえ、志望業界が同じ彼とは悩みや考えも共感できる部分が多くて、気持ちが高まってしまったんです。」
 
 
これが俗にいう、「つり橋効果」である。
 
吊り橋効果
 
1974年にカナダの心理学者・ダットンとアロンによって実証された、「不安や恐怖を強く感じているときに出会った人に恋心を抱きやすい」という効果である。
 
 

実験参加者は,カナダ・バンクーバー近郊のカピラノ橋(写真上)かその近くにある木製の小橋を渡っている男子学生79名.1人で橋を渡ってきた男子学生に,橋の中央で女子学生が実験協力の依頼をし,連絡先として電話番号を書いたメモを渡そうとする.渡したメモを受け取った人数と,事後にその番号に電話をかけてきた人数に,橋の種類(吊り橋と固定橋)による違いがあるかどうかを検討した.
 
 
その結果,電話番号を受け取った人数と橋の種類には関連がなく,電話した人数と橋の種類に関連があった.固定橋の場合は電話番号を受け取った16名のうち実際に電話してきた人数はたったの2名(13%)だったが,吊り橋だと18名中9名(50%)が電話をかけてきた.
 
 
ダットンとアロンはこの結果を,吊り橋の途中で女性に遭遇した男性は,揺れる橋を渡ることによって生じていた心拍数の増加をその女性への恋心による胸の高鳴りだと解釈(誤って原因を帰属)したものだと解釈した.恋はかくも単純に生じるのだ…

日本社会心理学会 広報委員会より
 
 
「就活中って、『自分のどこがいけないのか』といった、自分自身に対する無力感や『どの会社からも自分は認めてもらえないんだ』という疎外感、『本当に就職できるのか』という将来に対する不安を抱えがち。もちろん、就活生によって差はあるけれど、『どうせがんばってもダメ』と、自分一人で負のスパイラルに陥ってしまったりするんですよね……。私はコンサル業界を志望していたけれど、正直自分に自信が持てなくなった時期がまさに彼と出会った時期と重なっていたんです。」
 
 
そんな中、自分の夢を語って楽しんだカフェ。彼と一緒にいる時間は新鮮でドキドキもあったが、それ以上に同じ悩みを持っていることで共感し、気づけば恋心を抱き始めていたと言う。この頃には、就活当初思っていたリクラブに対する否定的な感情はいつの間にかなくなっていた。
 
 
「就活をしている中で初めてできた、同じ業界を目指す仲間に喜びを感じずにはいられませんでした。まだこの時はこれからも楽しい時間を過ごせるんだろうな、と淡い期待をしていましたよ。」
 
 
 

「今度飲みに行こう」そこでまさかの……?

 
「今度飲みに行こう」そこでまさかの……?
 
説明会から1か月間、日々彼との他愛もない連絡は絶えず、インターンの選考時期にさしかかったあたりで「今度そっちで選考があるから軽く飲もうよ」と彼から提案があった。
 
 
しかし、約束の前日に信じられない出来事が起きた。彼女のLINEに彼から「ごめん熱があって」と連絡がきたのである。
 
 
「選考が重なる時期ですし、体調を崩してもそれは仕方ないなと普通に思ったんです。」
 
 
楽しみにしていた予定がなくなり、タカコのテンションはやや下がったが、気を取り直して日を改めようと返信する。体調が悪い中、一緒にご飯を食べてもどちらにとっても楽しいものではない。
 
 
「無理はしていないけれど、明日の昼の時点で無理だったら延期にしてください。また夕方に連絡する。」
 
 
何故か彼から、約束を当日のギリギリまでに引き延ばしてほしいとの提案があったところからタカコは違和感を感じ始めた……。
 
 
 

「今電話はできないよ」そう伝えたのにしきりにかかってくる着信。
しかも事態はそれだけにとどまらず……

 
鳴りやまない着信。しかも事態はそれだけにとどまらず……
 
「昨日38.4度、朝36.2度、昼37.6度、夕方36.2度、今36.7 度で、夜になったらまた熱が出てしまうかも……。タカコに迷惑はかけたくない!」
 
 
当日の夕方まで連絡を待ってほしいと提案してきたのは彼である。タカコは私に迷惑をかけたくないのならば、なぜさっさと延期をしてほしいと言わないのか、イライラし始めていた。
 
 
「住んでいる場所も離れていないし、会おうと思えば会える距離なのに、どうしてさっさと日を改めてこないのか。土壇場でグチグチうだうだ言うその態度は、意味が分からなかったです。」
 
 
それにとどめを刺すかのような、彼からの「電話してもいい?」というメッセージ。
 
「あの日は事務のバイトで、今は電話に出られないよと伝えたんです。でも……」

着信は鳴りやまなかった。タカコは正直ドン引きし、全て拒否してしまった。
 
 
聞くところによると、「誘っておいてドタキャンは本当に人として終わっているし、そうやって俺が人に予定つぶされるのが嫌いなんだ。」とのこと。
 
 
「自分がされて許せないことを他人にしてしまった自分がどうしても許せない。でも、その罪悪感を消すために、出られないと伝えたのにもかかわらず電話を何度もかけてくるその配慮のない自己中心的な性格に、一気に冷めてしまいました。」
 
 
彼女は遠い目でこう語った。
 
 
 

就活時代の恋愛を振り返るが、その目に後悔はなかった

 
就活時代の恋愛を振り返るが、その目に後悔はなかった
 
後日談は実にあっけないものだった。
 
 
「あの出来事から、しばらく懲りずに彼からは『今度そっち行くから飲もう』、『選考ダメだった;;』と泣き顔の顔文字とともに報告が来ることもしばしばありましたが、もうどうでもよくなって既読スルー。いつのまにか、彼からの連絡はなくなっていました。」
 
 
でも後悔はしていないという。
 
 
「最初の頃こそ、チャラいなって思っていた時期もありました(笑)でも別に就活という枠組みの中で、恋愛をしてはいけないなとは今は思いませんし、当時を振り返れば確かに彼は私にとって安心を与えてくれる、憧れの存在であったことは間違いありません。ほとんどの人が1人では乗り越えられないぐらいの辛さを味わう就活という期間に特定の好きな相手ができるなら、将来どうなるかはさておき、意味はあるものではないでしょうか。
 
 
話題が絶えない恋愛。
 
 
就活中の男女の出会いは時に、お互いの理想や悩みが共鳴することで愛に発展することもしばしば。それはあくまで一過性のものであるというケースも報告されているが、恋愛に救われ、恋愛で磨かれる女は少なくない。たとえ一瞬の高揚だとしても、デキる女になるためのスパイスとして味わっておくのもいいかもしれない。
 
 
 

(参考元・引用元)
■日本社会心理学会 広報委員会 NHK「大心理学実験2」関連情報
https://sites.google.com/site/jssppr/discover_psychology2
■産業カウンセラーが教える!プレッシャーからくるストレスとの付き合い方
https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/9951

この記事を書いた人

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haruka masuda

インターン生/2016年3月入社/京都大学経済学部

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