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インタビュー

大阪のデザイン会社の経営者が新卒に求めるコト


デザインを通して数多くの企業や施設、店舗に向けたブランディングプロデュースをメイン事業とし、インハウスでも独自のしるし事業「DEUX MARCA(デュマルカ)」やウエディング事業「MARCA Wedding(マルカ ウエディング)」、飲食店事業「創作串焼 鉄板焼狭笑家もろこ」「日本酒バル もろこはなれ」を手がける、株式会社ノンバーバルの代表取締役、冨士武徳氏にインタビューしました。
 
 


冨士 武徳 氏

株式会社ノンバーバル 代表取締役 / クリエイティブディレクター
大阪生まれ。大阪デザイナー専門学校卒業後、広告代理店、デザイン事務所を経て2009年2月に独立。個人のデザイン事務所を主宰し以後、2010年、株式会社ノンバーバルを設立。顧客企業への企画提案、ブランディングデザイン顧問、人の行動心理へのアプローチを駆使したブランディング戦略から、店舗ブランディングをもとにした店舗設計デザイン、サービス構築、メニュー開発、SP企画などで企業資産を作り出す考え方を持つ。クリエイティブ業界の底上げにも取り組む。自社での飲食店運営・展開にも取り組む。大阪デザイナー専門学校常勤講師。

 
 

新卒採用をしない業界に未来はない。
「即戦力」を育てるためにやっていること

–なぜ採用(新卒採用)活動を行っているのですか?
ここ数年、ますます「情報」が価値を持つ時代になってきています。とてつもなく情報量の多い中、「自分らしさ」を見つけるために取捨選択をしながら、自分にとって何が必要不可欠なものか、直感的かつ、スピーディーに情報消費をして生きている若者たちがいます。

直感的に興味あるものはインプットして、ないものは自然に排除していく。そんな情報ジャングルに育つ若者が、これからの私たちの未来を創造していくわけです。そういう若者たちが次世代の担い手になるからこそ、私たちノンバーバルのデザイナーも今の社会に「自分らしさ」である個性を摘まれていない真っ白な新卒を含めた組織構成にしたいと思っています。

–採用したメンバーはいま、どのようなお仕事をされていますか?
4年制大学を卒業したスタッフや専門学校を卒業したスタッフ、そしてマレーシア出身で美術大学院を卒業したメンバーなど様々います。ファッションが好きなスタッフにはファッション業界の案件、イラストを書くのが好きなスタッフにはイラスト案件、それぞれの「自分らしさ・個性」を活かせるデザインのお仕事に携わっていただいています。
 

 
–企業側の視点で感じる採用活動の難しさは何でしょうか?
私たちのようなデザイン業界の企業やデザイン事務所では、一般的には「即戦力」のある人財を求めています。どのようなスキルをもって「即戦力」と呼ぶかは企業によって異なりますが、主にデザインの「アイデア」「テクニック」「スピード」についての部分を優先することが多いと思います。

これに関して、企業が求めているレベルとデザイン学校で教えられるレベルとの間にものすごく差があると感じています。ある程度のテクニックは、仕事をしながらレベルアップしていくことができるのですが、もっとも私たちが採用時に必要だと感じている部分は「イメージを言語化する能力」とデザイン思考である「方法論」です。

どうしても学校では先生や仲間内のやり取りだけになり、判断に偏りが出てしまいます。それらを少しでも改善するため、社会に出る前にたくさんの人の前でのプレゼン経験などを通じて、考えや意見を正しく伝えるコミュニケーション力、大前提として話を聞いてもらうための人間力を訓練してほしいですね。

–採用後においてどのようなことに重点をおいていますか?
私たちノンバーバルでは、新卒の採用活動を行う理由の一つに「ポテンシャル教育」ということをかかげています。その人自身の「自分らしさ」にエッジを立てて入社してきてもらえれば、あと基本的なことはノンバーバルで教えますよ、というスタンスです。

私たちは、そんな情報ジャングルに身を潜めている若者を採用し、これからのクリエイティブとはなんだ?みたいなことを企業として追求し続けて行かなければいけない。デザイン会社が古い体質ではクライアントにも新しいエネルギーを提案できないというプレッシャーがあります。私は企業側が教えることって実はほとんどなくて、いかに個々が持っている「自分らしさ」を体現できる舞台を作ってあげられるかが、これからの企業の在り方だと私は考えています。
 
 

「自分らしさ」にエッジのある人財と出会いたい。

–「うちの会社にほしい!」と思うのはどんな学生でしょうか?
他人と比べて、「ここは、誰にも負けないぞ!」という気持ちを持っている学生ですね。

先ほどのお話でもありましたが私たちノンバーバルは、「ポテンシャル教育」ということを掲げていて、「私はこういうことが得意だ!」「これだけは負けたくない!」ということを話しにきてほしい。大げさに言えば、やってもできないことはやらなくて良いというスタンスです。やって「楽しい!」と思えることを他の人よりも上手くできるかが、まずは必要だと考えています。

あとは、「右脳=感性」「左脳=ロジック」を切り替えながら話ができる学生に来てほしいと思っています。こういう人のことを私たちは「スイッチングヒッター」と呼んでいて、デザインとは、イメージを表現すること・課題解決のために言語化すること、それら双方の掛け合わせなので、スイッチングヒッターになれる人は貴重ですね。

入社前にそういう人財に育てたいということで取り組んでいる「ノンバーバルサマーキャンプ」というインターンシップ制度も検討しています。ぜひ、志願者にはチャレンジしてほしいです。

–社会人になってから「伸びる」学生と「伸びない」学生にはどんな差があると思いますか?
足りないことを知り、きちんと補う方法を持ち、そして実際に行動できるかどうか。つまりは、モノゴトをきちんと理解し認識することができる人が、「伸びる」学生になるんじゃないかと。学生に限らず、「認識する」ということができない人は成長しません。

たとえば上司が指摘したことを「面倒くさい」「訳がわからない」といって流してしまっているようでは、全然成長しませんよね。なぜ指摘されたのか、どういう目的があったのか、を考えることで本質が見えてきます。常に「Why?」という軸を持っていてほしいですね。
 

 

一人ひとりと向き合い、それぞれの将来のビジョンを実現していくために

–今後はどのような採用活動を行っていくご予定でしょうか?
先ほどのお話でもありましたが、インターンシップ制度としてサマーキャンプもしくは、ウィンターキャンプなど実施することを検討しています。私たちの会社を志望してくださっている学生さんにノンバーバルからの課題をお渡しして、見事キャンプをクリアした方にご入社いただこうと考えています。

–入社後のメンバーへはどんな教育研修を行っていくご予定でしょうか?
まず、メンバー一人ひとりに「自分の人生ビジョンの設計(デザイン)」を行ってもらいます。自分は1年後、5年後、そして10年後にどういう「自分」になっていたら最高に幸せなのか。そして、それは私たちの会社で実現可能なことなのか。上記の擦り合わせを行うことで、それぞれの育成カリキュラムは個別で変わっていきます。

これからの時代、情報ジャングルの中で生きてきた若者たちで構成されていく企業組織では企業が人材を選ぶというよりも、どんな企業で働いて自分の理想を実現できるのか、という側面が広がっていくと思っています。その時代の中で、私たちの会社は、一人ひとりと「共感」をテーマにしっかりと向き合ってスタッフ育成することに、力を入れていきたいと考えています。
 
 

感性とロジックを自由に行き来できる人になってほしい

–「これは大学生のうちにやっておいた方が良いぞ」ということはございますか?
一概には言えないことですが、私たちの会社では、先ほどの「スイッチングヒッター」になるために、感性を言葉にして説明してみたり、逆にロジックを感性で表現してみたり、という訓練を学生のうちから積んでほしいと思っています。

たとえば美術館に行って素晴らしいと感じた作品や、お店で食べた美味しい食事といったことについて、何に対してどのように感じたのかをもっと詳しく、自分の言葉で表現してほしい。デザインというのは、人が想像する視覚的なものを言語化して「伝える」ということができてはじめて、スタートラインに立ちます。だからこそ日頃からトレーニングをしておくことはとても重要だと思います。

また、普段から何事にもアンテナをフルで立て、多角的な視点を持つ。その時に物事の裏側や立場を変えて考えることも、デザイナーに限らずとても大切なことだと思います。

–最後に、社会人になる上での心構えについて、大学生に一言お願いします。
10年後の「自分らしさ」をワクワクしながら話せるように学生のうちから将来の自分をイメージし、行動できるようできればいいですね。
 
 
■株式会社ノンバーバルに興味を持った方はHPへアクセス!
http://www.nonverbal.co.jp/

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reimi ibuki

インターン生/神戸女学院大学文学部
2017年3月、長期インターンシップ生として、株式会社インデンに入社。インバウンド事業部で、パートナー企業のフォロー、広報・取材、および自社メディアの立ち上げ・運営を担当。2017年6月に内定承諾。2018年4月より、人事・採用ブランドマネジメント事業部メンバーとして入社予定。

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