新卒採用は将来への投資。京都の呉服問屋が目指す「人財育成」と「ビジネス拡大」の両立 / ウライ株式会社 代表取締役社長 森田亮 | Dekiroute[デキルート]
インタビュー

新卒採用は将来への投資。京都の呉服問屋が目指す「人財育成」と「ビジネス拡大」の両立 / ウライ株式会社 代表取締役社長 森田亮


京都発の呉服問屋としてスタートし、着物だけでなくジュエリーや高級ファッションなど様々な女性向けの商品の卸売業を手掛けている、ウライ株式会社の森田亮代表取締役にインタビューを行いました。
 

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森田 亮 氏

ウライ株式会社 代表取締役社長
1974年生まれ。同志社大学卒業後、1997年に証券会社へ入社。その後、家業である森田紋章工芸を経て、2001年、ウライ株式会社へ入社。2009年には執行役員・きもの事業部長、2011年には取締役営業本部長、2012年には常務取締役を歴任し、2014年代表取締役社長に就任。従来の事業を継承しつつ、新しい事業の創出にも積極的に取り組んでいる。

  

多くの人々の尊敬を集める、呉服の仕事への挑戦

–創業のきっかけは?
ウライ株式会社は創業68年目の会社で、社長は私で3代目になります。初代社長は淡路島に生まれ、はじめは京都の呉服問屋に入って丁稚奉公をしていたそうです。その後、はるか昔から着物の集散地として有名である京都で、呉服の卸売業として独立しました。

私たちも全国各地から集まってくる、着物をはじめとした様々な商品を仕入れ、これをまた各地の地方問屋や小売店に卸す、という事業を行っています。もっとも、近年は時代の流れで地方の問屋さんが減ってきていますので、お客様の大半は小売店の方々となっていますね。

また着物という商材の性質上、女性を主なターゲットとして事業展開してきたことを活かして、毛皮のコートやジュエリーなど他の女性向け商品についても取扱いを増やしてきました。さらには美を追求する女性の皆様へ向けて、健康商材の販売も始めています。

–会社を継がれた経緯は?
私の実家は、着物に紋入れをする職人の家系でした。自分自身はもともと呉服業界にはあまり関心がありませんでした。むしろ、父親にもこの業界には来ないほうが良いと言われていたほどです。

私は小学生のころに証券マンの格好良い姿を見たことがあり、それに憧れて自分も証券会社に勤めたいという想いを持っていました。しかし就職活動を周りの学生と同じ時期にやらなかったため、いざ私が就活を始めたとき、会社説明会などはすでにどこも終わっている状況でした。そこで大阪の北浜にいくつも証券会社のビルが立ち並んでいるのを見て、1件ずつ飛び込み訪問をして入社させてくれないかと直訴して回り、最後にはなんとかご縁をいただいて働けることになったのです。

ところが入社して半年後、祖父が突然亡くなって葬式をすることになりました。そこには多くの弔問客が訪れていて、呉服の仕事がこれだけの尊敬を集めるものだということに驚き、自分も挑戦したいと考えるきっかけになりました。それから紋入れ職人の修業などを経て、ご縁あってウライの先代の娘婿となり、後を継ぐことが決まりました。

40歳のときに3代目社長に就任し、今年で4年目となります。呉服業界では同族経営の会社も多く、私と同年代の仲間も結構いるので、お互いに連携を取りながら業界全体の活性化にも取り組んでいます。
 

 

新卒採用を続けることは、成長企業にとって必須

–採用活動について、どのような取り組みをされていますか?
私たちの会社では、近年は毎年5名程度の社員を採用してきました。採用のフローを簡単に説明すると、マイナビへの掲載と学校訪問を中心にエントリーを募集します。そこから学生さんに集まってもらって説明会を実施し、役員面接へと進んでいただくという流れです。最低何名以上は採用しなければならない、というような考えは特になく、マッチする学生さんがいれば積極的に採用する、というスタンスで臨んでいます。

採用活動に取り組んでいる一番の理由は、新しい世代がどんどん育っていく会社にするために投資すべきだと考えているからです。確かに、新卒で入社した社員がすぐに売上に貢献してくれることは難しいですし、むしろ成長してもらうまでの投資は惜しむべきでないと思います。

しかし、新卒採用を継続して行わなかった場合、新しく入った社員はいつまでたっても上の立場を経験することができないままになってしまいますよね。それではせっかく入ってくれた若手の成長機会を奪ってしまうことにもつながります。
そうした人財育成の観点からも、新卒採用はストップすることなく毎年取り組み続けたいと考えています。

–採用活動において課題に感じることは何でしょうか?
このところの応募者数が減少傾向にある点が、課題となっています。2018年卒の新卒採用ではマイナビに掲載して、約220件のエントリーがありましたが、以前は1000件以上あった年もあり、減ってきていると感じます。

また、すでに他社でも複数の内定をもらってきているような学生さんも増えていますね。そのため、最終面接の場面で「一度検討させてください」ということを申し出る学生さんが現れるようになりました。2018年卒の採用でも、実際にウライの内定を辞退される方がいました。これも2、3年前にはなかったことです。

また、以前は入社してから「思っていたものと違う」となってしまうミスマッチも、残念ながら起こっていました。これは採用担当者が会社の良い面ばかり伝えてしまうからだと考え、数年前から会社説明会にエース格のセールスパーソンも同行させるようにしています。

それで彼らには、ウライで仕事をすることについて良い点も悪い点も、出し惜しみなく話すようにお願いしています。かなりあけすけにしゃべってくれますが(笑)、色々な角度から理解してもらったうえで入社してもらう方が、お互いにとってプラスになるはずだと思っています。
 

 

社員が活躍できる「給料の高い会社」を目指して

–森田社長は、入社する社員にどのような力を求めますか?
まずは「素直」であることが求められると思います。呉服業界は歴史も古く、独特な慣習も残っている業界なので、そうした様々な慣習が仕事をするうえで違和感を感じる原因となったり、壁となってしまったりすることも多々あります。

しかしこれをいったん受け入れてみると、他の業界では味わうことのできない色々な面白さを体感できるようになってくるはずです。また付け加えるならば、場を和ませるような良い雰囲気を持った方に来ていただきたいですね。

私たちもお客様先のお店を回っていくなかで常に感じていることですが、この人からものを買いたいと思わせてくれる雰囲気のある店員さんにお会いすると、こちらもとても良い気持ちになれます。全国のお客様と実際にお会いして取引を進めていく仕事ですので、一緒にいて明るい気持ちになれる人柄であった方がスムーズなのは間違いありません。

–今後どんな会社にされたいと思われていますか?
一言でいうならば、「給料の高い会社」にしたいと思っています。それは、しっかり人財もビジネスも成長している企業であることの証明だと考えているからです。

実は以前は、他の小売店の方々が新規出店を繰り返して大きくなっていくのを見ても、なぜそうする必要があるのか理解できずにいました。正直なところ、短期的に1年間の業績を良くしようと思うならば、人財を採用する必要もなければ新商品を仕入れることも不要です。ただ現状の社員と商品でやれることをやって、最小限の出費で利益を上げることができるわけです。

ですが今では、ビジネスを大きくしていくことで新たな人財が活躍できるフィールドを広げることも可能になるし、チャレンジしたいという社員の意欲にもつながってくるはずだという考えに至りました。将来への投資を欠かさず行い、ウライをさらなる成長企業に生まれ変わらせることで、結果として給料の高い会社を作ることができたら理想的だと思うのです。
 
 

「欲」こそが成長の原動力である

–最後に、これから就活を迎える大学生にメッセージをお願いします。
どんなことに対してでもいいので、「欲」がある人であってほしいと思います。現代の若い人々は、色々な欲求が小さく薄くなってしまっていると言われていますが、より良い仕事をするためには「欲」を欠かすことはできません。

認められ評価される存在になりたい、成長して先輩を追い抜きたい。そういった欲求があれば、同じ仕事でも時間の使い方は大きく変わってくるはずです。就職活動をするに当たっても、ぜひ自分のなかにある欲求を見つめ直し、それを大きく育てていってほしいと思っています。
 
 
■ウライ株式会社に興味を持った方はHPへアクセス!
http://www.urai.co.jp/

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katsuhiro inaba

インターン生/同志社大学グローバルコミュニケーション学部
2016年12月、長期インターンシップ生として、株式会社インデンに入社。飲食店の商品開発、キャンペーン企画と、会社の学生向け広報企画の設計を兼任。現在は、人事・採用ブランドマネジメント事業部で、クライアント企業の学生向けPRなどを行う。

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