「どんなことでも、とりあえずやってみよう」他社がやりにくい仕事で付加価値を生み出すマインド / カツロン 代表取締役社長 石川明一 | Dekiroute[デキルート]
インタビュー

「どんなことでも、とりあえずやってみよう」他社がやりにくい仕事で付加価値を生み出すマインド / カツロン 代表取締役社長 石川明一


プラスチックなどの合成樹脂素材を用いて手すり用クッションなど様々な産業用製品を製造する「押出成形」という分野において、独自の技術とアイデアで確固たる地位を築いている、株式会社カツロンの石川明一代表取締役にインタビューを行いました。

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石川 明一 氏

株式会社カツロン 代表取締役社長
1970年、東大阪市生まれ。同志社大学商学部を卒業後、1994年に三菱油化株式会社(現・三菱ケミカル)へ入社。産業資材の生産管理、営業を担当し、2001年に株式会社カツロンへ入社。製造、採用、営業を担当し、2008年、代表取締役社長に就任。

 
 

お菓子の製造会社から、合成樹脂で日本を代表する企業へ

–創業のきっかけ、現在の事業内容になった経緯は?
カツロンは1949年、私の祖父が東大阪の地で創業した会社です。当時は戦後まもなく、砂糖が自由に手に入らないような時代でした。そこで砂糖の代用品であるサッカリンという人工甘味料を使った菓子の製造販売を、事業として立ち上げました。

菓子製造のために導入した機械が、そのまま樹脂の成形にも使えるものだったため、時代が進むとともにプラスチックの製造へと事業を転換していきました。それが合成樹脂の「押出成形」という、現在主軸としている事業へと繋がっています。押出成形というのはところてんの作り方と同じようなもので、樹脂などの素材を金型に押し出していくことで、同じ形状のものを連続して製造することができる技術です。

特にカツロンの場合は、取り扱いの難しいやわらかい素材を使うことを得意としていて、この分野では日本一の技術を持っていると自負しています。実は生活のなかの色々な場面でも、私たちの製品を見ることができます。たとえば階段の手すり用クッションや、自動車のフロントガラスの窓枠や電車車両のドア枠に使われるゴム、自動車内部の配線を覆うチューブなど、日本を代表する大手企業の部品もカツロンが提供しているのです。

–石川社長はどのようなキャリアを歩まれましたか?
私自身は同志社大学商学部を卒業し、新卒で三菱油化という企業に入社しました。その頃は、家業を継ぐことを明確に決めてはいませんでした。ただ、やはり小さい頃から父親たちの仕事を見てきたので、自分も素材や化学関係の仕事に関心を持ちながら就職活動をしていましたね。

バブル崩壊以後の就職難の時代ではありましたが、そのなかでゼミのOBの方がリクルーターとして大学に来られるというご縁があって、社会人生活をスタートすることになりました。東京で3年、名古屋で4年仕事をしたのち、父親から実家へ「戻ってこい」と声を掛けられたことをきっかけに、2001年にカツロンへ入社することを決めました。まずは営業職として、2008年からは代表取締役として事業経営に取り組み、現在に至ります。
 

 

就職活動と「プロとして食べていく」という覚悟

–採用活動について、どのような取り組みをされていますか?
大卒、高卒の両方で採用活動を行っていて、2018年卒の大学生に関しては4名に内定を出して3名の承諾を受けたという状況です。私は最終面接を担当しており、今年はお会いした4名の学生さん全員に対して内定を出しました。この内定割合や承諾率は、選考の各段階でカツロンの価値観とマッチしている人物かどうかを、人事部長をはじめとする社員たちがしっかり吟味してくれているからこそ実現可能なことだと思っています。

また採用ページについても、営業や人事の社員が企画・発案して、コンテンツもすべて自分たちで決めて作ってくれました。私は事後承諾しただけです(笑)。学生さんに対してどのように私たちの会社のことを伝えるべきか、それを社員たちが考えてくれているのはとてもありがたいことだと感じますね。

–採用活動において課題に感じることは何でしょうか?
前述のような取り組みもあって、エントリーを増やすことには成功しました。しかし、本気で入社したいと思って来てくれる学生さんが増えたかどうか、という点は難しいところです。学生の数が減ったことで、以前に比べても就職すること自体は難しくなくなってきています。そんな現状もあってか、プロとして食べていかなければならないという覚悟を持っている人は、どんどん少なくなっているように感じます。

反対に学生さんの側から考えると、就職ナビを見ても掲載社数が多すぎてどのように選ぶべきか分からない、という面があると思います。高卒の場合はむしろ、学校の先輩や先生の勧めがあって就職を決めるケースが多いので、お互いに相手のことをある程度知ることができて安心感があります。大卒でも今後は知人や先輩の紹介が、より有力な決め手となっていくのではないでしょうか。
 
 

「まずはやってみよう」という素直さが成長につながる

–これから入社する社員には、どのような力を求めますか?
素直で明るく、どんなことでも柔軟に受け入れて吸収していける力がある方に、ぜひ来てもらいたいですね。反対に、勝手に自分の仕事に枠を決めて、自分自身をそのなかに押し込めてしまうような人がいますが、それは成長の妨げでしかありません。仕事に対するこだわりを持つことと、過去にとらわれて自分に枠をはめてしまうこととは分けて考えるべきです。

難しいことを「できそうにない」と嫌がるのではなく、「どんなことでも、とりあえずやってみよう」と考えるマインドこそが、カツロンがここまで長く続く会社となった原動力でもあると思っています。そして1人ひとりの個人の成長ややりがいについても、同じことが当てはまるはずなのです。

あとは一緒に働きたいと思えるような誠実な人であれば、それで十分だと思います。仕事は決して自分1人で完結するものではなく、様々な役割の人々がお互いに協力し合うことで成り立っている、ということがきちんと理解できる人は、活躍する可能性が高い人だと思いますね。

–会社のどんなところを魅力に感じてほしいですか?
私たちと一緒に働くことで、日本の産業の根幹を支える製品を提供するという仕事に挑戦することができます。日本一の技術を持っているということはもちろんですが、それ以上にもっとお客様に喜んでいただけるような価値提供ができないかと、日々ものづくりに取り組んでいます。

お客様のため、そして社会のために役に立つことができているという満足感は、やはり社会人として充実した生活を送っていくために必要不可欠だと思います。それを得ることができるのが、カツロンという会社であると知ってほしいですね。
 

 

他社がやりにくい仕事にこそ、付加価値がある

–今後、どんな会社にしたいと思われていますか?
カツロンはこれまでも、他社がやりにくい仕事を率先して引き受けることで付加価値を見出してきました。たとえば成形が難しいやわらかい樹脂素材や、他のメーカーではまだ取り扱っていない素材にも挑戦し、それを使ってまた新たな価値をお客様に提供することをずっとやってきたわけです。

ものづくりに携わる中小企業は、自動車メーカーや家電メーカーといった大企業の下請け・系列として製造を行っているところも多くあります。しかし、私たちは1つの分野でしか製品がつくれない会社になるよりも、色々なところから注文をいただいて商品をつくる、「どんなことでも、とりあえずやってみよう」というマインドを大切にする会社であり続けてきました。

今後もそのあり方を追求して、お客様のみならず働く社員にとっても「カツロンに入社してよかった」と思ってもらえるような会社にしていきたいと思います。
 
 

学生にこそ勧めたい、司馬遼太郎の小説

–最後に、これから就活を迎える大学生にメッセージをお願いします。
学生の皆さんには、「やってやろう」という気概を持って就職活動や仕事に向き合っていってほしいですね。その手掛かりとして、『竜馬がゆく』などの司馬遼太郎の小説を読んでみることをおすすめします。かつての日本人たちの生きざまから、人として大切にすべき心がまえを学ぶことができますよ。

私はもともと読書家というわけではなかったので、できれば学生のうちにもっと司馬遼太郎を読んでおきたかったなと強く感じました。ちなみに、カツロンの本社から歩いてすぐのところに司馬遼太郎記念館もあります。よければこちらもぜひ、訪れてみてください。

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kodai nishino

インターン生/同志社大学文化情報学部
2017年1月、長期インターンシップ生として、株式会社インデンに入社。自社の飲食店のリサーチ分析業務と、インバウンド事業部での企画戦略立案業務を兼任。現在は、人事・採用ブランドマネジメント事業部で、クライアント企業の学生向けPR支援を行う。

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